上条彰吾は平凡な高校生。学校での成績はせいぜい中の上といったところだし、社交的な性格というわけでもなく、クラスの中では地味な存在だった。授業が終われば、帰り道の途中にあるソフトショップやゲームセンターに立ち寄って、顔を知っているゲーム仲間と情報交換をする、そんな日々のくりかえし。もちろん、十七歳の少年として、異性に興味がないわけではないし、ときには同じクラスの女子生徒と話がはずむこともあるが、恋人と呼べるような相手はいない。むしろ、新発売の格闘ゲーム『武斗演舞』を買ったばかりの彰吾にとっては、さまざまなゲームソフトの枠を超えての試合が可能になった《異種交流戦》の舞台で戦わせている自分のキャラクター・如月美鈴こそが理想の女性にほかならなかった。 アクション
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